ブリジッド・オベール/異形の花嫁

何よりも強い愛ってのは、ボーの愛のような事をいうのかもしれない。



◆制作
原題:Transfixions  2003年 フランス ハヤカワ文庫

◆あらすじ
娼婦殺人事件が発生。舌を切り取り内臓をえぐる残忍な手口。やがてボーの周りの人々が次々の被害にあい、とうとうボーが容疑者に。犯人は誰?ボーの容疑は晴れるのか。

***

男の体に女の心のボー。彼女の関心は、ジョニーだけ。殴られても蹴られても、骨を折られてもボーはジョニーが好き。理屈じゃなく、どうしようもなく惹かれてしまう。そんなある日、娼婦が殺される。みんなが恐怖を感じ始めた頃、ボーの友人が1人、また1人と殺されていく。

これはボーの話。ボーという人間の物語。子供の頃の生い立ち、辛かった思い出、心と体の痛み。それに負けない精神力と深い愛情。

もし、ボーが現実にいたら、私も他の人と同じようにジョニーみたいな男はやめときなさいっていう。言うけど、多分、無理だろうな。この物語の中で一番幸せなのはボーだと思うから、無理だろうと思いながら言うと思う。あまりに強烈な愛は、強烈過ぎてどうしても傷つけちゃうのかもしれない。