レナーテ・ドレスタイン/石のハート

 読みやすかったな。

石のハート 新潮クレストブックス - レナーテ ドレスタイン, 長山 さき
石のハート 新潮クレストブックス - レナーテ ドレスタイン


◆原題:Crest books 2002年 オランダ 新潮
◆あらすじ
エレンという一人の女性の物語。エレンの父、エレンの母、兄弟。買っていた犬。最初は、どこにでもありそうな家族のよくある日常が描かれている。家族、1人々が何を好きなのか、どんなに憎たらしくて優しいか、そんな家族の中で、子供の頃のエレンは何を感じ何を考えていたか。
大人になったエレンは過去を回想する。エレンにとって過去は遠い昔ではなく、やり残した宿題みたいで彼女は、ずっとそのことを考え続けてる。

家族全員が同じ日に亡くなった。エリンとすぐ下の弟は生き残るけれど、弟は被害にあってて虫の息で発見される。エリンは無傷だった。30年前のある日、彼女は取り残された。そして大人になった今、売りに出されていたかつての自分の家を買った。あの惨劇のあった家を。

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体は無傷なのだけど、それだけに心の傷が取り残されてる気がする。心の傷は誰にも見えない。本人ですら気づいてない事すらある。あの日、エリンの家族に何があったのか・・で前半読み進め、起こった事がはっきりした後は、エリンがこの後どうするのかで、後半読み進めた気がする。

過去は、自分の中で納得出来てはじめて過去になるのかも。