ミニチュア作家/ドールハウスの謎

ジェシー・バートン著のミニチュア作家をBBCが映像化したそうな。全3話、面白かった。 




◆制作
原題:The Miniaturist 2017年 イギリス

◆キャスト
ペトロネラ・ブラント/ネラ(アニヤ・テイラー=ジョイ) 
マーリン・ブラント(ロモーラ・ガライ)
ヨハネス・ブラント(アレックス・ハッセル)
コルネリア(ヘイリー・スクワイアーズ)
オットー(パパ・エスエイデュウ)

◆あらすじ
#1
17世紀オランダ。
家を家族を救うために、お金持ちの商人ヨハネスの妻になった少女ネラ。嫁いだ家には年上の義妹マーリンがいて、彼女がヨハネス家を取り仕切っていた。使用人も義妹寄りで、夫は不在がち。新生活に戸惑いと落胆を感じる中、夫がネラに結婚祝いだと豪華なドールハウスをくれた。

義妹から買い物する店のリストを貰ったネラは、ドールハウスの為に彼女が弾く楽器と小鳥が入った鳥カゴとマジパンの入ったカゴ(だったかな。ちょっと記憶がおぼろげ)を
ミニチュア作家に依頼する。頼んだのはそれだけなのに、次の日から頼んでいないものがメッセージと共に贈られるようになる。そして、送られるミニチュアと同じような事が次々起こる。何の目的で送ってくるのだろうか。

#2
夫の仕事相手のパーティにネラも同行する。だが、夫はネラを抱こうとはしない。私は飾りなのか、愛されたいとネラは夫に言うが、夫はネラの愛に答えられない。

その理由はほどなくしてわかる。夫はゲイだった。それが世間に知られれば、彼は処刑されてしまう。ヨハネスは婚家を去ってもいいというが、ネラは私の家はここだと残る事にする。

#3
夫が砂糖を売りに行くと街を出ている間に、夫の愛人が彼に会いに来る。家に来るなというと激高し犬を殺してしまう。それを見て使用人が愛人を刺してしまう。怒った愛人はヨハネスに暴行されたと訴え、彼の性癖が知られることになり、裁判にかけられる。

その頃、義妹マリーンは出産する。人に言えずに隠して堕胎しようとしたが出来なかったのだ。お腹の中の父親は誰なのかと噂される中、生まれた子供の肌が浅黒かった。父親は使用人の1人だった。

助けが欲しいネラは、やっとミニチュア作家にたどり着く。助けて欲しいとネラは言う。みんなそういうが私には何も出来ないと作家は言う。彼女は情景が浮かぶだけで、それを形にしただけだった。

マリーンは子供を産み亡くなった。夫は裁判にかけられ処刑されてしまった。残されたネラは使用人と生まれた子供と。

***

1話みるごとに謎が残される。謎が解けると次の謎が現れる。原作がいいのか、映像化したのがよかったのか、飽きずに観れた。

最初は心細そうなネラが、ドールハウスを得て楽しそうな表情になる。愛を求めて夫に拒否られて悲しそうな顔になったのに、事情をしってヨハネスを人として、共に生きるパートナーとして考え始める。隠し事はしないでというネラは、優しい顔になっていた。そこから次々と起こる事に必死に対処していくネラ。少女が大人になっていく過程がとても微笑ましい。

ミニチュア作家に助けを求めに行ったネラに、何もしてあげられないと申し訳なさそうにいう作家。だが、彼女と話していてネラは気持ちの整理がつく。2人が話すシーンはわりと好き。ラストシーン、最後のミニチュアを受け取るネラ。それを道の向こうから見つめるミニチュア作家。

言葉は交わさず。余計なものを入れなかったのがよかったのかも。あのラストも好き。