世界ではじめて性別適合手術を受けた人なのだそうな。
リリーのすべて (字幕版)
リリーのすべて (字幕版)
◆制作
原題:The Danish Girl 2016年 アメリカ
◆キャスト
◆あらすじ
原題:The Danish Girl 2016年 アメリカ
◆キャスト
エディ・レッドメイン
アリシア・ヴィキャンデル
アンバー・ハード
マティアス・スーナールツ
風景画家のアイナーは、肖像画家のゲルナは結婚し、デンマークで充実した日々を送っていた。
ある日、妻に頼まれて女性モデルの役をしたアイナーは、自分の中にある女性に気付く。病院へ行くも、精神的な病と判断され無理な処置を受けさせられ苦悩するアイナー。男性の体に女性の心に葛藤しつつ、アイナーはリリーとして過ごす時間が増えていく。
そしてゲルダは、リリーが男性と会っている事を知る。そんな夫の姿に戸惑いながらも、リリーを受け入れ始める。リリーは体を女性にする手術を受けると言い出す。エルダは最後まで、リリーに付き添う。
***
アイナーがリリーとして過ごし始めた当初、ゲルダはあまり深刻に考えてはいなかったのだと思う。最初は面白がってさえいた。ところがアイナーはリリーとして行きたいと願い始める。同じ画家として、思いを共有できる夫との充実した時間。それが、崩れ始める。夫が夫じゃなくなっていく。
時には元の夫に戻って欲しいと淋しく思い、時には夫の気の済むようにさせてあげたいと思う。その葛藤の間で、ゲルダはどんどんやせ細っていく。見てて辛い。
けれど、男女の愛は崩壊しても、人としてゲルダはリリーを愛し、最後の最後までリリーの傍にいる。ゲルダが苦悩しつつ、人としてリリーを愛する深さが切なくていい。
リリーが鏡を見てうっとりするシーン。すごく不思議な感覚だった。うっとりした表情の男性の女性的なしぐさ。すごくいいシーンだったなと思う。半裸という事を除いても。
リリーが男性と会っていて、それをゲルダに知られた後、彼は男性が好きなのよ。だから私とはそういう関係じゃないみたいな事を言う。
その人はリリーが男性だから会ってるわけで、リリーは自分が女性で男性と会ってる事が楽しいわけで、お互い、違うものを夢見て楽しそう。その楽しそうな表情を見てる方が、悲しくなっちゃう。性的な愛と、人としての愛が一致しない。切ないねー。
一度目の手術(男性器を切除)の後だったかな、リリーが女性として働きだして、それがとても楽しそうで。自分がしたい事を出来るって、楽しくて仕方ないのよね。
あれを見てると、リリーが命をかけて性別を変えたかった気持ちが、少しわかるような気がした。ゲルダは男性のアイナーと愛し合いたかった。アイナーはリリーという女性として男性(画商のクロード)と愛し合いたかった。画商のクロードは、男性とは愛し合えず、ゲルダを気にかける。そして、ゲルダとクロードはリリーを人として愛してた。
愛って難しい。