パトリシア・カーロン/四年後の夏

嘘つきはどっちだ


◆制作
原題:The Souvenir 2000年 オーストラリア 扶桑社

◆あらすじ
4年前に兄を殺された女性が、私立探偵に事件の再調査を依頼した。容疑者は2人。ヒッチハイクをしてた少女達。

事件の全容が記録されている書類を、探偵は読み始めた。そこには2人の少女の同じ証言が。
違うのは、犯人は向こうだと言っていることだけ。

***

そのどちらかが犯人なんだけど、状況を知るのも2人。どっちもが同じ事を言う。こういうのって実生活でもよく聞く。

Aちゃんが靴をとったの。違うわ。Bちゃんがとったの。でも、その場にいないとどっちが嘘をついてるかわからない。事件は4年間未解決のまま。

再調査を頼まれた探偵は、事件の調書、供述書や手紙といった書類と当事者の2人の少女に話を聞くことだけで、真相にたどり着く。一人は犯人。一人は唯一の証人。私なら見当違いの事ばかり気になって、 真相にはたどり着けない気がする。

こういう洞察力のある人がいるから、悪意のある嘘はつかないでおこうと思う。特に大事な場面では。