エル ELLE

魅力的だけど、軋轢が多くなりすぎて疲れそうw


◆制作
原題:Elle 2016年 フランス

◆キャスト
イザベル・ユペール
クリスチャン・ベルケル
アンヌ・コンシニ
ロラン・ラフィット
ビマーラ・ポンス
シャルル・ベルリング
ヴィルジニー・エフィラ

◆あらすじ
ゲーム会社の社長を務めるミシェルは、ある日覆面の男に襲われる。嫌がらせのメールが届き家に侵入されるが、警察には届けず自ら犯人捜しを始める。

***

冒頭、猫が見ている中で自宅でレイプされるミシェル。抵抗するもかなわず、犯人が去った後、壊れたものを片付けるミシェル。

あの瞬間、彼女は考えたんじゃないだろうか。警察に届ける?そんな事したら、マスコミの餌食になり下手をすれば犯人すら捕まらない。

彼女の父は連続殺人犯で、刑務所に収監されている。そのことで警察もマスコミも関わりたくないものになっている。途中で、父の件で電話してくるマスコミの相手を運転中にしていて目の前の動物を避けきれず、車の事故を起こしたりしている。

マスコミは不躾に追い回す(それが仕事だから仕方ないだろうけど)警察が犯人を捕まえて犯人が刑に服したとしても、彼女が追った痛みが消えるわけじゃない。

その事を父の事件で知っているからこそ、自分で見つけようと思った気がする。あの時点では見つけたらどうしようとかは、考えてはなかったんじゃないかな。

ミシェルは表面上取り繕ってる人にうんざりしてる気がする。子供の肌の色が違う感じなのに、息子としてかわいがる男性に、あんたの子供じゃないのは見ればわかるでしょと、他にも人がいる場面で言い放ったり。

ゲームを勝手に作って他の人が拡散したという部下に、犯人捜しを含めてだけどズボンを下ろせと命じたり。他の人に確認させるわけじゃなく、あそこで辱めにしたのは言い訳してる部下にうんざりしてるっぽい。

友人の夫と肉体関係を持っちゃっうミシェルだが、それをまた友人に嘘つくの嫌だからと告白してしまう。もう終わったと。奪いたいわけでもなく長く付き合うほど魅力もなかったと
言ってるようなもん。

最初は泣く友人だが、最後には理解しあう。あの感じわかる気がする。女性が言い寄っただけじゃ成立しない。彼女じゃなくても、他の女性に言い寄られたら浮気してた夫よね。それより正直にしたかったからしたと言うミシェルの方が信用できる。

犯人は多分、自分より能力のある女性を支配下におきたい男で近所に住んでいた。レイプ事件の話だけど、この映画はサスペンスというより女性の生き方の映画のように思えた。