コーディ・マクファディン/戦慄

子供を使うのは卑怯だぞー、ちょっと泣きそうになったやん。



◆制作
原題:The Face of Death 2007年 アメリカ ヴィレッジブックス

◆あらすじ
住宅街で起きた殺人事件。生き残ったのはただ1人、16歳の養女サラ。犯人は、サラに6歳から付きまとうストレンジャーなる男。彼は、サラに殺人を手伝わせていた。彼の狙いは。

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3作目を先に読んでしまっているのだけど、3作目でもいい味出してるカービーの、登場シーンが読めてよかった。あまりに凄惨。虐待の限りをつくし、肉体的にも精神的にも怖くて辛い。本でよかったとつくづく思う。これだけの恐怖感を文字だけで想像させる。作家ってすごいなとも思う。

そんなあまりにも辛く怖く血みどろで、人が向き合いたくない憎悪や憤怒を描いてるのに、怖いトンネルを抜けたら、青空だったみたいな読後感。

登場人物がいいからなんだろうな。みんな、心に大なり小なりの傷を負ってる。生きてたら誰だって持つだろう心の傷。

その傷は消えなくても、どこかで折り合いをつけて前を向いて歩こうとする。生きてる方が辛い。死んだ方がまし。そう思えるぐらいの体験をした後でさえ否、そういう体験をした後だからこそなのか、生きる事に希望を見つけ出そうとする。

こういう話を読むと、自分がとても幸せで恵まれてると思う。がんばらなきゃ申し訳ないかなと活力がわいてくる。1冊の本で、泣いて笑って元気まで貰う。とっても得した気分。