サラ・ウォーターズ/エアーズ家の没落

上下巻だけど、わりとすんなり読めた。



◆制作
原題:The Little Stranger 2010年 イギリス 東京創元社

◆あらすじ
ハンズレッズ領主館には、エアーズ家の人々が肩を寄せるようにして住んでいた。母と娘、戦争で怪我をして戻った息子、戦前から通いのメイドと住み込みのメイド。

子供の頃母に連れられて行った憧れの領主館に、ファラデー医師は往診に行くことに。それをきっかけに一家と親しくなっていくが、館の中では小さな異変が始まっていた。

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ジリアンの事件の時の、エアーズ家の反応がちょっとびっくりというか。 あの時代の領主様とすれば、あんなもんかもしれないなと思うものの1人の女の子が一生背負うものと考えれば、あの反応はあまりに軽い。

ジップ(だったかな)は、あんなに大事にするのに。ファラデー医師とエアーズ家の人達は、気質が似てるんだと思う。これが他の医師なら、あそこまで深入りする事もなかったろうし   もしかしたら、キャロラインはあの流れから外れられた気がする。

ファラデー医師が関わった事で、あの流れに手を貸したみたいな。とはいえ、彼もかなり苦しい目にあってるのだけど。

住み込みのメイド、ベティが可愛い。最初は地下室の部屋は嫌だの、メイドより工場で働きたいだのと言っていたがいつしかすっかりエアーズ家にはなくてはならない存在になり、可愛がられている。体は小さくて子供みたいだけど、彼女が一番しっかりしていた気がするな。