サラ・ウォーターズ/半身

魂の片割れ、残りの半分を見つけてしまったとしたらどうなる?



◆制作
原題:Affinity 2003年 イギリス 東京創元社

◆あらすじ
1874年の秋、監獄を訪れたわたしは不思議な女囚と出逢った。ただならぬ静寂をまとったその娘は霊媒。慰問に訪れた上流婦人が、不思議な女囚と出逢いはじまる物語。

***

目をそむけようとしても離れていこうとしても、磁石のようにひきあって離れられなくなる。 私たちは、愛し合ったりはしない。溶け合って1つに戻るの。あなたは私の半身、彼女はそう言った。ミルバンクという牢獄の中で。寒さをしのぐ事も食べる事もままならない牢獄の中から、彼女は次々と贈り物をしてきた。
 
そして今度は、彼女自身が牢獄から煙のように抜け出してくるという。 彼女と逃げる為に、全ての準備を整えた。切符を買い服を買った。翌日、すべての事を知った。   

という話なのだけど、ミステリーのタネあかしはもう出尽くしてて大体想像はつく。でも、感情移入もしやすくて読みやすかった。妖しく優しく魅力的で残酷。