キャスリーン・レイクス/既死感

骨の専門家が事件を解決する話。


◆制作
原題:DEJA DEAD 2001年 アメリカ 角川文庫

◆あらすじ
神学校の敷地から四肢と頭部を切断された死体が発見されてしまった。テンペ・ブレナンは骨の鑑定の専門家として白骨死体や腐乱死体の鑑別にあたる法人類学者。

上手くいっていない夫と一人娘をアメリカに残し、親友ギャビーの住むカナダの法医学研究所に勤務している。

身元鑑定のため、骨の調査を進めるうち、過去に扱ったケースが鮮やかに甦ってきた。一年前モルグに運ばれてきた全裸の若い女性の死体。頭部切断。四肢切断。

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友達や同僚とのやりとりの中に、働く人ならわりとある部分が出てくる。仕事で疲れてる時に電話がなってすごく疲れて不機嫌なんだけど、それをなるべく表に出さないようにするとか。相手の鼻ピアスが気になって、鼻ピアス痛かったんだろうなーとか余計な事を考えてしまって、会話に集中できなかったりとか。

仕事が仕事だから、気持ちの悪い仕事。と思われるみたいな箇所もある。そう思われても仕方がないだろうなと思うけど、こーいう仕事をしてくれる人がいるから身元や死因がわかるわけだし、大変な仕事なのにそんな言われ方したらやりきれないなと思う。

そういう親近感が、骨の専門家といういかめしい感じをやわらげてくれて読みやすかった。次回作が手に入ったら、もう一冊 読んでみたいな。