江國香織/いくつもの週末

結婚生活をつづったエッセイ集。

いくつもの週末 (集英社文庫) - 江國 香織
いくつもの週末 - 江國 香織


◆制作
日本 2001年 集英社

◆内容
作家自身の結婚生活を綴った16編のエッセイ。

 ●おわりに
結婚して2~3年の間に書かれたエッセイというのを読んで、ちょうどその頃までが、喧嘩したり仲直りしたり相手の事を手探りしてる状態で、一番楽しく大変な時期なのかもと思った。
 ●雨
雨好きは他にもいるんだと、嬉しくてにんまりした。一人の時間、身に覚えがありすぎて苦笑。愛情は、たしかに一種の病だと思う。愛情あふれるのがいい事だと何の疑いもなく思っている人を見ると、素直すぎて羨ましい反面、少し不安になる。
 ●ごはん
我が家とは違うなぁと思って読んだ。自宅で仕事をするようになってから、私の仕事を目にして少し優しくなった。不器用なのに、仕事と家の事を出来るだけやろうとしてるのはわかったみたいで、そのうち歳をとってくるともっと優しくなった。優しくされると私も優しくなりたくなった。
 ●月曜日
複雑な感情が目に見えるみたいだった。これが書かれた時の思いでは、いつも週末だったら
木っ端微塵と書かれていた。

我が家の場合、一時期毎日顔を合わせてた頃があったので、いつも週末だとしても、木っ端微塵にはならないだろうけど、月曜日のあのつまらないような気持ちとほっとしたような
気持ちは解る気がする。

***

愛情に保証なんてないから、いつか終わるんじゃないかとたまに思ったりするけど、お互い自然にすり合わせていて、振り返れば毎日の生活がいつの間にか積み重なってて、薄かった関係が少しずつ厚くなって繋がりが強くなっていく気がする。