リン・S・ハイタワー/消失点

引火点、消失点、切断点と点シリーズ(になってるのか?)の一冊。お馴染みになったソノラ・ブレア刑事もの。


◆制作
原題:No Good Dead 2001年 アメリカ 講談社

◆あらすじ
牧場で少女が馬とともに消えた。牧場経営者は馬の事ばかり心配するし、父親の態度もどこか変。

そして少女の日記に書かれた意外な言葉。シンシナティ警察のソノラ刑事は相棒のサムと捜査に乗り出す。

***

リン・S・ハイタワーの本はどれもそうだけど、展開が速くて読みやすい。事件を解決するのは、ソノラという女性刑事。彼女はシングルマザーでもある。母親という忙しい日常と仕事という待ってはくれない業務。その板ばさみでイライラしたり、疲れてきってしまったり
子供の笑顔に癒され元気な日があったりする。

独身なので恋をする時もあったり、妻帯者を羨ましく思ったり、大変だなと思ったり。そういう日常が、三冊のあちこちにちりばめられていてソノラという女性に親近感がもてる。

消失点は少女の行方を追うことになるけど、一緒に消えたのは馬。馬を隠すのって大きさも大きさだし、いななくし難しそう。犬や猫なら誰かに預ける事が出来ても、馬はそうはいかない。

他の動物や人間もそうだけど、閉じ込めておけばストレスで暴れてもおかしくないし、世話だってしなきゃならない。

馬の世界の一端を、この本の中で知った気がする。馬を追い少女を追い、事件を追うソノラの懸命な姿が好印象。