グレッグ・アイルズ/24時間

ケヴィン・ベーコンが主演したコールの原作。スピード感のある展開は、グレッグ・アイルズならではかも。

24時間 (講談社文庫) - グレッグ アイルズ, Iles,Greg, 泰, 雨沢
24時間 (講談社文庫) - グレッグ アイルズ

◆制作
原題:24 Hours 2001年 アメリカ 講談社

◆あらすじ
麻酔医ウィルの出張中に5歳の娘が誘拐された。だが、娘が小児糖尿病を患っていた。朝までに投薬しないと命が危ない。

これまで身代金誘拐を100%成功させてきた犯人部グループの1人、主犯のサディスト、ヒッキーと妻は一晩過ごすことに。娘と妻に危機が。

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三様の駆け引きが面白かった。犯人グループは年に一度しか犯行を行わない。医者ばかりを狙いリーダーのヒッキーが妻を、ヒッキーの愛人が夫を、子供をヒッキーのいう事をなんでも聞く弟のような男性が監視。犯行の時、ヒッキーは置き土産のように医師の妻を犯す。これが、犯行がばれずに彼らが捕まらなかった理由。

子供の命を助ける為に犠牲になる妻。家族を助ける為に莫大な身代金を払う夫。お互いを責める事も許す事も出来ず、崩壊していく家庭。時には耐えられず自殺する人も。

そんな犯行に巻き込まれた麻酔医のウィルの家族。誤算は子供の病気と夫婦の強い絆。定期的に少しだけ連絡を取り合う犯人達の目を盗んでコッソリと連絡を取り合う夫婦。夫は犯人の一人、ヒッキーの愛人をなんとかこちら側に引き込もうとする。妻はヒッキーの目を夫からそらそうとする。大事なものを命を懸けた駆け引き。タイムリミットは24時間。展開がはやいはやい、目を離せない。

子供役がまたけなげ。小児糖尿病、怖くても泣き出しても自分で自分に注射を打ち、犯人の目を盗んで逃げ出そうとしたり。映画でも子役はよかった。って、子供と動物を出せば映画はあたると言われるぐらいだから子供は無敵なのかもだけど。

本読むの苦手とかミステリー苦手って人に、1度勧めてみたいな。はまるか。やっぱりだめか。試してみたい。密かな願望だなw