デボラ・D・クロンビー/警視の休暇

ミステリーだけど、ジェマの恋物語が好き。

警視の休暇 (講談社文庫) - デボラ・D. クロンビー, Crombie,Deborah D., 佳子, 西田
警視の休暇 (講談社文庫) - デボラ・D. クロンビー



◆制作
原題:A Share in Death 1994年 アメリカ 講談社

◆あらすじ
ロンドン警視庁のエリート警視ダンカン・キンケイドは、遅めの夏休みを楽しむべく車を走らせていた。しかし彼を待ち受けていたのは、絵本のように美しい景色とは似合わない、忌わしい事件だった。

ホテルの副支配人の感電死を皮切りに第二、第三の殺人がおこる。犯人は宿泊客のひとりなのか。だとしたら誰が犯人なのか。

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休暇の中のジェマってほんま可愛い。子供を抱えて仕事してバタバタしてる自分と比べて警視はかっこよくてスマートで憎たらしいけど、惹かれてる。そういうジェマの心情が良く出てて、ジェマが好きになった。警視の方も、ジェマを好ましく思ってるんだけど、ジェマには信じられない感じ。

ミステリーって、謎だけじゃなくいろんな要素があるから楽しい。仕事を持って子育てしてる女性って、格好良く描かれる事が多いけど、ジェマはそういう感じじゃない。

イライラしてるのに子供が静かにしてくれないと思う日や、子供のせいじゃないよね。ごめんねと思う日や、仕事してる時に子供を言い訳にしたくないと思ったり、時間がなさ過ぎて
イライラする自分を、みっともないと思ったり。とても等身大。

そんなジェマを、キンケイド(警視)が暖かく見守ってる。彼は彼で、頭はいいのだけど不器用で天然。ジェマとは好対照。

旅行記とまではいかないにしても、事件で訪れる場所を描写してくれてるから、気分だけでも旅行した感じ。

サイコほどインパクトがあるわけじゃないし、専門的知識がふんだんに織り込まれてるわけじゃないけど読んでて楽しい。