これが最後。
◆制作
原題:Gogol. Strashnaya mest 2018年 ロシア
◆キャスト
アレクサンドル・ペトロフ
ジュリア・フランツ
アルチョム・トカチェンコ
タイシヤ・ビルコバ
オレグ・メンシコフ
イヴジェニー・スティシュキン
ヤン・ツァトニック
◆あらすじ
ヴィーとの戦いで死んだゴーゴリ。医師は解剖を拒否し、お共はせめて教会で弔いたいというが署長はそれを許さない。墓地で牧師さんに祈りをささげて貰い、棺は地面に埋められた。その棺の中で闇の世界に入ったゴーゴリは父と会い、自分が何故、闇の世界へ生きたまま入れてしまうのかを悟る。ゴーゴリは生まれた時すでに死んでいて、ある闇の男の力で生き返っていた。
一方、警察署長は女性達が農場にいた事を知るゴーゴリこそが黒騎士だといいはじめ、ゴーゴリをきちんと弔いもせず埋めてしまう。だが、ゴーゴリは息を吹き返し墓から出てくる。
黒騎士はリザの夫だとゴーゴリは言うが署長は信じずゴーゴリを逮捕し牢に閉じ込めてしまう。それを知った村人たちはゴーゴリを襲撃し、火あぶりに縛り首の刑にしようとする。
そんな時、死んだと思われていた探偵グローが現れる。そしてグローと警察署長とゴーゴリはリザの館へ向かう。12人の若い女性と1人の生き返った者(水の精)の血を吸った黒騎士がいた。黒騎士はリザだった。
話は163年前にさかのぼる。リザとリザの姉マリアはおてんばな姉妹だった。父はマリアに結婚相手を決める。マリアは嫌がるが父は許さない。ポーランドの一団がウクライナの農場を破壊してまわっている。
そのリーダーはカジミールという黒魔術師。そのカジミールを倒しに父は出かけていくが、逆にやられてしまう。カジミールが村を襲うと聞かされた姉妹は、森の魔女に黒魔術師を倒す方法を聞きに行く。魔女がいうには、魔法の輪を黒魔術にかけられたらその間だけ、黒魔術師を殺せるという。
カジミールは女ったらしだと聞いた姉妹は、捕虜になって近づきカジミールに魔法の輪をかけることに成功する。姉妹はカジミールを捕まえて村に帰ろうとしていた。だが、マリアはカジミールに恋をしてしまう。カジミールはアリアに輪をはずしてくれという。そしたら永遠に彼女を愛すると。
魔法の輪を外そうとするマリアと反対する妹のリザは戦う事になる。戦いの最中、マリアは足を滑らせて亡くなる。
リザがカジミールの首をはねると、黒魔術師の呪いがリザにふりかかる。30年ごとに12人の娘と復活した者をささげろと。天空の神スワロードの夜までに。出来なければ、永遠に地獄の炎に焼かれることになるという。
それからリザは30年ごとに12人の娘と復活した者を手にかけてきた。探偵グローは、そのリザの話を推理していた。そこでグローは生き返った者としてゴーゴリを連れて来た。ところがリザはゴーゴリを殺さなかった。リザはゴーゴリに恋してしまい、殺せなかったのだ。
グローは秘密結社の代表でもあった。永遠の秘密に興味があり、リザを手に入れたかった。リザが協力しなかったら?と聞くとグローはゴーゴリの身に危険が及ぶかもと言う。
話を盗み聞きしていたゴーゴリと署長はグローに銃を向ける。グローは署長に甘い話を囁くが、署長はリザを撃つ。ゴーゴリはリザに頼まれて輪をはずした途端、リザは黒騎士に変身し、署長とグローは黒騎士と戦う。
そこへ姉のマリアが現れる。崖から落ちたマリアは、妖怪ヴィーに望むものはと聞かれ復讐したいと言うとかなえてやろうと言われて生かされていた。マリアは署長を殺しゴーゴリを刺し、リザに復讐をする。だが、リザはゴーゴリに命を分けあたえ首をはねられる道を選ぶ。
そこへ、バシュリナが現れる。バシュリナはいつも持っている人形を燃やし、マリアに差し向ける。それを見たゴーゴリはマリアに輪をかけマリアは囚われる。サンクトペテルブルクに戻ったゴーゴリは、浴びるように酒を飲む。食事もとらず飲み続けるゴーゴリをお供のヤキミは心配するがほっといてくれとゴーゴリは言う。酒浸りの日々の中、リザがしていたブローチを目にしたゴーゴリは再び筆をとる。
2年後、それはディカーニカ近郷夜話として出版される。その出版の披露会で、探偵グローの秘密結社と対立しているという団体の人に食事に誘われる。また、ゴーゴリは危ない事件にかかわることになるのか。
仲の良かった姉妹が憎しみ合うようになってしまう。恋愛というのは罪だなと思う。リザがゴーゴリにあなたと私は同じ。魔界とこの世を行き来できる。私はもう黒騎士にはならない。残りの30年一緒に暮らそうと言うがゴーゴリはリザと自分は違うと言う。自分は人を殺めないと。お互い惹かれてるのに上手くいかない。あの台詞はリザにはきつい。自分が生き残るために、12人と復活した者を殺して163年生き延びて愛するゴーゴリに会ったのに、愛を知らないからこそ生き延びる道を選んだのに、愛を知った途端に自分の過去が邪魔をする。
その結果、リザは30年と言わずにその場でゴーゴリの命を助け自分は地獄へ落ちていく。それでも愛する者に出会えた方がきっと幸せだったはずと思いたい。163年生きた妖怪と人間のゴーゴリは最初から立場が違うといえばそうなんだけど。これも身分違いの恋なのかなー。