ジェイムズ・パタースン/多重人格殺人者

 映画スパイダーの原作。



◆制作
原題:Along Came a Spider 1994年 アメリカ 新潮文庫

◆あらすじ
ワシントンの名門小学校に通う映画女優の娘マギーと財務長官の息子マイクル。二人への脅迫電話があり、授業を中断して算数教師のソーネジが二人を家へ送っていくことになった。

だが、ソーネジは二人を自分のヴァンに乗せるないなやクロロホルムのスプレーを噴射した。ワシントン市警、シークレット・サーヴィス、FBIそれぞれが事件を追う。

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いくつかのストーリーが同時に展開するのが面白い。誘拐したソーネジと誘拐された子供の話。事件を捜査するアレックスと、シークレット・サービスの話。そして、アレックスの過去と恋の話。

キャラクターはわかりやすかった。有名になりたくてサイコの本や映画を集め、綿密に計画を立てるソーネジ。エネルギー使う方向、完全に間違ってる。

臨床心理学の専門家で刑事のアレックス。世間が注目するような事件には関わりたくないと思ってるのに、こういう事件だからこそ、協力を要請される。事件を解決したいだけなのに、嫉妬や縄張りやそういう事にも対処しなければならず。そんなアレックスの心の支え(弱点)が犯人の格好の標的になる。

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映画では、モーガン・フリーマンがアレックスを演じてる。モーガン・フリーマン好きだけど、原作のアレックスとはちょっと違う。モーガンが演じたからか、それとも時間内で納めるためか映画では恋愛のシーンはカットされてる。


シークレット・サービスの一員で、アレックスと恋仲になる女性。仕事も出来る。外見だって申し分ない。自分のやりたい事が出来る頭の回転の良さと行動力。羨ましい限りなのだけど。こんな欲望なくてよかったと思わせるキャラ。

いくつもの話が、交差しながら進んでいくけれどわかりにくい感じもなく、すんなり読めた。