パトリシア・コーンウェル/真犯人

あるはずがない。それなのに現実にはそこにある。どういう事なのか。謎を解き明かしていく過程にひきこまれる。

真犯人 (講談社文庫) - パトリシア・コーンウェル, 相原 真理子
真犯人 (講談社文庫) - パトリシア・コーンウェル


◆制作
原題:Cruel and Unusual 1993年 アメリカ 講談社

◆あらすじ
私を殺してもけだものは死なない。そう書き遺して黒人死刑囚ロニー・ジョー・ワデルは電気椅子に座った。

その夜から起きた連続殺人事件現場からは、ワデルの指紋が発見された。被害者の十三歳の少年、女性霊能者、検屍局主任を殺した真犯人は誰か。そして今、女性検屍官ケイの身辺にも陰湿な罠が。

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1作目で10歳だったルーシーが、この本では17歳になりまだ若々しく微笑ましい。コンピューターの話になると、とても17歳とは思えない賢さを見せるのがまた楽しい。

マリーノが妻に出て行かれたのも、本作。おめでとうと言うべきか、お気の毒と言うべきか。

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ワデルが起こした事件の現場、何年もたった血液が残留してて。科学ってのはすごいなーと思う。反面、科学を信用しすぎてはいけないなーと思うのが、コンピューターのデータ。上手く差し替えれば、否、最初からデータが間違っていたら何もならない。人は間違うし欺くし嘘もつく。でも誰かの役にもたつ。科学やコンピューターとそれを使う人の信頼性を謎に使ってストーリーを組み立ててるので読みのが楽しい。

コーンウェルはプログラマーだったそうなのでこういうコンピューターの事を話に組み込むのは得意そう。