ジリアン・ホフマン/報復ふたたび

報復の続編。まさかまた読むとは思わなかった。



◆制作
原題:Last Witness 2005年 アメリカ ヴィレッジブックス

◆あらすじ
あれから3年。悪夢のようなキューピッド事件も人々の記憶から薄れつつあった。だがマイアミで事件の起こらぬ日はない。恋人ドミニクとの平穏な暮らしを手に入れた地方検事補C・Jは、その夜も事件発生の報せに叩き起こされた。

現場へ急行した彼女を待っていたのは、キューピッド犯を逮捕したチャヴェスの凄惨な死体だった。まさかあの事件のせいで?不安にかられるC・Jに追い討ちをかけるように、当時の関係者が次々と殺されてゆく。悪夢はまだ終わっていなかった。

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前回の事件が壮絶で、それがやっと終結に向かい、c・jも幸せなひと時。でも、それははじまった。最初はチャベスだった。被害者が増えるごとにc・jの不安はつのる。それは、c・jだけではなく、キューピット事件のある部分に関係した人達に共通の不安だった。

前の作品を読み終えた時、疑問が1つ残ったままな気がするなとは思ってた。想像しようと思えばどうにでもできるが、明確に書かれていてもいい部分。妙な気がしてた。もしかしてと思っていたら、やっぱり続編に。

前回、c・jの苦しみを見守り、支えてきたドミニク。でも、今回はc・jがドミニクを拒む。何も打ちあけてくれない。逢う事さえ拒まれ、自分の力のなさに傷つくドミニク。一方、c・jは、彼を巻き込みたくない一心で苦しんでる。話してしまえば、ドミニクに罪を負わせてしまう。彼を思っているからこそ遠ざけるc・j。そんな彼女の気持ちを知る由もないドミニク。

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人を愛するってのは、時としてその人の過去や罪まで共に背負う事になる。背負うものが大きければ大きいほど、お互いを苦しめる。難しいな。自分にも背を向けて別れるか。自分と向き合って共に生きるか。どっちもきつい。

前回の報復は、最初が説明が多すぎて読みにくかったけど、進むにつれて物語にひっぱりこまれた。が、今回は、逆。前回で説明する必要がなくなったのか、入りやすかった。が、最期の文章でがっくり。続編を出しますよーと書いてますw

キューピット事件の犯人として拘束されてるバントリング。そのバントリングが、報復ふたたびの中で再審請求を起こしてる。すんでのところでそれは却下され、死刑の日を待つばかり。一度は却下されたはずなのに、最期の最期で上告が通り。

この後、まだ、バントリングでひっぱるつもりなのねと思ったら力が抜けた。もういいよー、ジリアン・ホフマン。飽きちゃうよー。時間が立つと、また読んでもいいかなとか思うのかもだけどさ。