スー・グラフトン/泥棒のB

Aとは違って、今回は探偵業が詳しく描かれていてよかったな。


◆制作

原題:"B" Is for Burglar 1987年 アメリカ 早川書房

◆あらすじ
遺産相続のため、居場所のわからぬ姉を探してもらいたいとの依頼。その女性はサンタ・テレサとフロリダにコンドミニアムがあったが、行方がわからない。

聞き込みの調査を進めるうちに、一方の管理人室に強盗が押し入るという不穏な事態が発生し、また近所でも数カ月前、無残な強盗放火事件が起こっていたことが判明した。簡単な依頼だと思っていたら話が複雑になってきた。

***

居場所のわからぬ姉を探してという依頼を受けたキンジー。元警察官の強みをいかして、ちょっと調べ物に元同僚の手を借りる。探偵から得る情報もあるのだろう。持ちつ持たれつという感じ。そういうつてがあちこちにあるキンジー。空港の乗客リストなどからも、足取りを追おうとする。

コネがないところは相手の思い込みも利用する。ばれたらどうするんだ?って事もあって、ばれたらばれた時って開き直ってるのかなと思っていたら、意外にドキドキしてるキンジーに好感が持てる。

行方不明の姉を探せばいいんだなと思っていたら、(それもそう簡単な事じゃないんだけど)姉の失踪には他の事が絡んでいると気付くキンジー。詮索好きの近所のおばちゃんにも話を聞いたり一人で走り回る。

一人で仕事するのって、何もかも一人でやらなきゃいけないから大変。反面、気楽でもあるんだろうけど。

常連キャラが親しみやすくて好き。キンジーは仕事は出来るけど、それ以外は普通の女性。
キンジーを可愛がってくれる近所のレストランといっていいのかどうかわかんないけど、の女主人。キンジーの家主でパンを焼くのが好きなおじいちゃん。彼らが、物語を暖かく読ませてくれる。