100%負けると言われた裁判をひっくり返すって並大抵じゃないな。
男女平等というと、男性と同じように働けみたいな論調になりがちだけど、この話はそうじゃない。
女性だというだけで残業が出来なかったり、つけない職業があったりするのはおかしいと直球で訴えたがるルースに対し、この裁判に限定して話を聞いてもらう突破口にしようとするマーティ。男性が助けて貰えない部分はマーティが、女性の権利に関してはルースが弁護を担当することになる。
◆制作
原題:On the Basis of Sex 2018年 アメリカ
◆キャスト
◆あらすじ
原題:On the Basis of Sex 2018年 アメリカ
◆キャスト
フェリシティ・ジョーンズ
アーミー・ハマー
ジャスティン・セロー
キャシー・ベイツ
◆あらすじ
貧しいユダヤ人家庭に生まれたルース・ギンズバーグは、「すべてに疑問を持て」という亡き母の言葉を胸に努力を重ね、名門ハーバード法科大学院に入学する。
1956年当時、500人の生徒のうち女性は9人で、女子トイレすらなかった。ルースは首席で卒業するが、女だからというだけで雇ってくれる法律事務所はなかった。
それでも弁護士の夢を捨てられないルースに、マーティがある訴訟の記録を見せる。専業主夫になって母親の介護をすることが認められない男性を擁護するその裁判が、男女平等を訴える一歩となることを信じ、自ら弁護を買って出るのだが。
***
ルースの夫マーティは癌にかかる。ルースはマーティと共に生きることを選択する。なんとか仕事をと法律事務所を回るのだが、女性の弁護士を雇うと妻が嫉妬するからという理由で就職できなかったりする。嫉妬する女性もいるかもしれないが、それを理由に就職を断ってる感じ。
転機は裁判。母親の介護をする男性は、介護をするのは女性という制度になっているため、男性というだけで助けを得られない。この裁判を通して性別による不公平感を訴えようとするルース。
性別ではなく得意な分野を分担して仕事を進めようとする姿勢がこの映画のいいところ。男女平等というと何かと敵対した話に聞きがちだけど、そういう事ではないのだというのがよくわかる。
もう1つよかったのは母と娘の葛藤。娘は母が何かと議論をしかけてくる事に不満を持っていて父に訴える。君の母は祖母から何にでも疑問を持ちなさいって教育を受けてきてるんだよ。それを君に伝えようとしてるんだと父は娘に伝える。
その思いを受け取った娘は、逆に母に叱咤する。娘の言葉によって時代は変わってきてるのだと思う母。私の頃は女性が弁護士になれただけで満足だった。でも今は違う。時代は変わってきているのだと裁判で訴えるルース。これが大逆転のきっかけになる。
何気なく見始めた映画だったけど、思いの他よくて見入ってしまった。