ジル・マゴーン/騙し絵の檻

夫さんが読み終えたものを貸して貰った。本格推理ものなので推理してみたりして、楽しかった。



◆制作
原作:The Stalking Horse 2000年  イギリス 東京創元社

◆あらすじ
無実だとの叫びもむなしく、ビル・ホルトは冷酷な殺人犯として投獄された。16年後、仮釈放された彼は真犯人を捜し始める。

自分を罠に嵌めたのは誰だったのか。終幕で明らかにされる驚愕の真相とは。

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ホルトが幼なじみのアリソンと結ばれた日、彼女を殺しアリソンを尾行していた探偵のオールソップも殺したとして、投獄される。(ホルトもアリソンも既婚)

まずはホルトを疑ってみた。一応。でも16年投獄されて得るものはないので外す。アリソンもオールソップも絞殺。犯人は男性かなと思う。女性なら、毒殺や銃殺みたいに腕力を使わない方法を選ぶ気がするから。

男性が犯人と仮定した事で、動機から嫉妬をはずした。アリソンに性的な暴行の記述がない。アリソンはお金もちの娘だけど、父親が殺されないのでお金が動機というのも外す。

そう思いながら読んでてウォリックの件でなるほどと思った。さりげなく書いてるけどミステリー好きは皆気付きそう。

犯人は関係者の中の男性という事で、女性を全員除外。冷静沈着でもともと役員ではなくて、あら条件ぴったり。もともと役員ならお金にそれほど不自由してないから、弁護士を立てるなり、他の策を講じそうな気がする。そう考えていくと犯人はわかる。

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ミステリーって、メインはおとりで複線で真相を書く事が多いのも頭にあったし、ちょっと卑怯な推理だったかも。でもキャシーの話は以外だったし、ジャンとアリソンの対比もいいなと思う。どっちかというとジャンの生き方の方が好きだけど。

ホルトの悔しさ、投獄される前、投獄後、それから日数が立ってからの変化もよかった。展開が速くて、退屈もしなかった。

16年も真相がわからなかったのに、出所一ヶ月で真相にたどり着くあたり、検察、弁護士、職務怠慢かよと突っ込みは入りそうだけど、面白かったからよし。