ヘレディタリー継承

現代ホラーでは最高に怖いと聞いたので観ることにしたんだけど。女性二人が面識があったのが後でわかるのはよかったな。


◆制作
原題:Hereditary 2018年 アメリカ

◆キャスト
祖母エレンの娘、アニー=トニ・コレット(シックス・センス)
アニーの夫、スティーブン=ガブリエル・バーン(スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする)
アニーの息子、ピーター=アレックス・ウォルフ(ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル)
アニーの娘、チャーリー=ミリー・シャピロ

◆あらすじ
グラハム家の祖母・エレンが亡くなった。娘のアニーは夫・スティーブン、高校生の息子・ピーター、そして人付き合いが苦手な娘・チャーリーと共に家族を亡くした哀しみを乗り越えようとする。

やがてグラハム家に奇妙な事が頻発しだす。受け継いだら死ぬ、祖母エレンが家族に遺したものは一体何なのか。

***

エレンが亡くなる。エレンとアニーは仲がいい親子とは言えない。アニーにとっては毒でしかない。それでもアニーは母を完全に嫌いにはなれない。

そういう葛藤の中葬儀をすませ、なんとか日常に戻ろうとする。ところがエレンに可愛がられていたチャーリーは様子がおかしい。ピーターは母のアニーにちょっとうんざりしつつも妹チャーリーの面倒を見つつも、友達と付き合うそこらにいる男の子。夫のスティーブンもアニーを気遣い、子供たちに声をかけるやはりそこらにいそうな夫。

ある日、友達のパーティーに行くと言うピーターにチャーリーも連れて行けというアニー。そのパーティーでアレルギーのピーナッツを食べてアナフィラキシー症状を起こすチャーリー。必死に車を運転してチャーリーを救おうとするが、空気を求めて窓から顔を出したチャーリーの首は電信柱とぶつかってとんでしまう。そこからピーターもおかしくなっていく。

アニーは家族を亡くした人達が集まる会に出て辛さを癒そうとするが、そこで知り合った女性に亡くなった人と話せると交霊のやり方を教わってのめりこんでしまう。家族はどんどんおかしくなる中、アリーはエレンの残した写真に交霊のやり方を教えてくれた女性を見つける。彼女達はずっと昔から面識があった。

なんていうか、いい材料を買ってきて火加減失敗したみたいな感じがした。アニーがエレンに翻弄されてきたというのが、最初は歯がゆかった。そのエレン役がまた有無を言わせない感じの外見でよかった。ほとんど出てこないけど。

エレンが亡くなって、これでアニーは救われるんじゃないかと思った矢先のチャーリーの衝撃的な死。これはきついと思いつつ、これだけは時間が癒してくれるのを待つしかないか、夫は優しそうだしなとか思っていたら、会に通いだし話を聞いてくれる人に合いはじめ、きなくさい感じになっていく。

辛い時って誰かにすがりたくなる。でも相手を間違うと危ないんだよなーとか思いつつ見てたら案の定。これは霊話になるんだろうなーとか思ってたら最後の最後で予想外な展開に。

話としては好き。単純じゃなくていい。俳優さん達も好き。アニー役さんかなりいいし、夫役さんも安定。あの2人の間にピーターさんが生まれたとは思えない感じだけど、ピーターさんも熱演。そしてチャーリー役のミリー・シャピロ。忘れなさそうな顔と雰囲気。

けど、見せ方なんだろうか。怖くはないし感情移入も出来ず、インパクトがあったのはチャーリーの死の場面だけ。

すごく怖いって読んで観ることにしたのだけど、私が怖いと思うパターンとは違ったのかな。インパクトのあるシーンがなくても、心理的に怖いと思う方が好き。あ、でも、家の感じとかミニチュアの感じとかは好きかな。ホラーとは関係ないけど。