ナンシー・テイラー・ローゼンバーグ/女性判事

判事のラーラの妹夫婦が被害に合った。一人息子を残して殺されるほどの事とは、妹夫婦は何をしていたのか。

◆制作
原題:Interest of Justice 1996年 アメリカ 講談社

◆あらすじ
厳格な判決で鳴らす地裁判事ラーラのキャリアを脅かす事件が起きた。妹夫婦が自宅で惨殺されたのだ。妹はレイプされた挙句の絞殺、夫はダンベルで一撃を浴びていた。発見者は一人息子のジョシュ。床下から発見された夥しいポルノグラフィー。

やがて判事の周辺にも暗殺者の影が忍び寄る。真犯人は、裁判所あるいは警察の内部にいるのか。それともラーラ判事の下した判決に恨みをもつ者の仕業か、それとも。

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妹夫婦は、一人息子を残して殺されるほどの何をしていたのか。夥しいポルノは、何を意味するのか。それが知りたくて読み始めた。

判事という職業柄、家族が事件に巻き込まれるのは辛いだろう。被害者の家族に生々しい詳細まで語られないはずの事が、判事だと耳に入ってくる。もしかしたら、自分の職業のせいなのではないかと思っても不思議はない。判事という職業としての辛さ、一人の姉としての辛さがラーラを苦しめる。

姉と妹の対比がよかった。私は長女なのでつい、つい姉に感情移入してしまう。最期になればなるほど逆転また逆転と、加速する感じで話が展開する。テンポのいい話は間延びしなくてよかった。