ウィリアム・ディール/邪悪の貌

前作から10年。再び事件の関係者に迫る事件が起こる。残された暗号をたどっていくうちに、前回の事件のもう1つの真相が。

邪悪の貌(かお)〈上〉 (徳間文庫) - ウィリアム ディール, Diehl,William, 倫子, 広津 邪悪の貌(かお)〈下〉 (徳間文庫) - ウィリアム ディール, Diehl,William, 倫子, 広津
邪悪の貌(かお)

◆制作
原題:Show of Evil 1997年 アメリカ 徳間書店

◆あらすじ
静かな田舎町で平凡な主婦が切り刻まれて惨殺された。スタンプラー事件から10年、かつての敏腕弁護士マーティン・ヴェイルは、今では峻厳な検察官として犯罪者から恐れられている。そのヴェイルの前につきつけられる謎の死体の数々。

10年後の今も精神病院の厳重警戒病棟に収容されているエアロン・スタンプラーに、面会に行くヴェイル。そこに見いだしたかつての依頼人は、まったくべつの人格になりかわっていた。
執拗な復讐心と恐るべきトリック。つぎつぎと犠牲になっていく10年前の事件の関係者たち。シカゴを舞台に、凶悪な殺人鬼とマーティン・ヴェイルの死闘がくりひろげられる。

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ディールさんったらーって、言いたくなるw
前作の真実の行方の中ですら、事件の裏には別の顔があったのに、この作品ではさらに裏が合った事が判明。その真相にたどり着く為の暗号解読。ミステリー好きのツボを心得てるかのよう。

前回、検察官だったジャネットが今は弁護士に。そして、前回弁護士だったマーティンは、今は検察官。立場が逆転。そうしないと、話が進まないだろうな。

そして前回、大司教の裏の顔の関係者だった女性が、最初の被害者になる。10年後の彼女は、主婦になり静かに暮らしていたのに。

前回、エアロンの精神鑑定をした医師も被害にあう。事件の関係者が、次々と狙われる。
が、前回の容疑者、エアロンは精神病院の厳重警戒病棟の中。いったいどうなっているのか。事件を終わらせる為に、そして関係者を守る為にマーティンは奔走する。

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今回はリーガル色は、少し薄れその分、アクションが多くなってる気がする。謎解きは、前回と同じで面白かった。

一応の結末はあるものの、次回に続く終わり方。三部作と聞いてワクワクしてたのに、三作目の翻訳が出ない。版権問題も大変なのだろうけど、翻訳で出してくれー。

一応、一話完結の形はとってるので、一冊だけでも読めると言えば読める。
ただ、読めば読むほど三作目が読みたくなる。