ベネゼエラ出身のアメリカの作家さんなのだそうな。あまりにも意外な犯人というので手を出してみた。
◆制作原題:Dark Fields 1992年 ベネズエラ 東京創元社
◆あらすじ
クィンの親友ニキも、思ってもみなかった面を見る機会があったり、事件を捜査するマクレアリの上司にも秘密の生活があったりして、公にしない部分が人間くさくて面白い。
彼女は作家、しかも男ばかりを狙う連続殺人鬼。誰もその素顔は知らない。被害者を発見したのは、恋人の女性だった。名はクィン、民事専門の私立探偵だ。犯人は自分で探す、そう言い張る彼女に、殺人課刑事のマクレアリは手を焼いていた。そんなさなかまたしても犠牲者が。
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本の裏のあらすじには、意外な犯人と書いてあったけど、登場人物の性格描写を読めば、半分も来ないうちに犯人がわかってしまったので、それ以外の方が楽しめた。
クィンの恋人で被害者のグラントは、フリーのカメラマン。旅する土地の写真を撮り、民話や神話を集め植物を集め、自宅で育てる男性。クリエイティブで自由な感じ。
女性が憧れそうなキャラだけど、欠点のない人間などいないだろうと思っていたら、やっぱり。彼は女ったらしで、自分の為なら平気で人を利用できるタイプ。クィンにはそんな彼が見えてなかった。彼が被害にあってはじめて、彼の本当の姿が見えてきて裏切られた気分になる。
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後半に行くほど、時間軸があってハラハラな展開になるのと、恋愛がらみの楽しみもある。
恋愛がらみは定番か。
あまり期待せずに読みはじめたんだけど、悪くなかったな。あとがきを読んだら、この作家さん、他にも作家名があるらしい。処女作は、トリシュ・ジェーンシェッツで、アリスン・ドレイク名義でも書いてるらしい。