ロバート・ウォーカー/ハワイ暗黒殺人

ハワイの火山の激しさと犯人の感情の激しさが重なりあい。
ここまで来ても休暇が取れないジェシカ。お気の毒。

ハワイ暗黒殺人 上 (扶桑社ミステリー ウ 20-3 女検死官ジェシカ・コラン・シリーズ) - ロバート ウォーカー, Walker,Robert W., 知寿子, 瓜生 ハワイ暗黒殺人 下 (扶桑社ミステリー ウ 20-4 女検死官ジェシカ・コラン・シリーズ) - ロバート ウォーカー, Walker,Robert W., 知寿子, 瓜生
ハワイ暗黒殺人 下 (扶桑社ミステリー ウ 20-4 女検死官ジェシカ・コラン・シリーズ) - ロバート ウォーカー


◆制作
原題:Primal instinct 1999年  アメリカ 扶桑社

◆あらすじ
ホノルルでは若い女性の失踪が相次ぎ、観光名所「潮吹き穴」から被害者のものとおぼしき人間の腕が吹きあげられたという。しかもその現場付近で、警官ふたりの惨殺死体が発見されたのだ。ジェシカは、さっそく検死に取りかかった。

季節風の到来とともに、若い女性を狙って犯行を開始した貿易風殺人鬼。
現地民ばかりが犠牲となるこの事件は、ハワイの社会に根深く存在する複雑な人種対立に火をつけた。
一触即発の危機が高まり、ホノルルの町が震撼する中、犯人の影を追うジェシカたち。
南海の楽園の闇の奥、外部の人間をいっさい寄せつけない禁断の島へと潜入し、知られざるハワイの暗部に女性検死官が挑む。

***

足に傷を追うジェシカにとって、スキューバーは足の怪我を忘れさせてくれるスポーツ。
もともと活発な人にとって、思うように動けないのはストレスだろう。

休暇をとって、彼とハワイで過ごす。好きなスキューバーをして、海の中の色の氾濫を楽しみ、夜は暖かい風とお酒と満点の星空を眺めて過ごす。
そんな楽しみに胸を躍らせているジェシカに一本の電話。その電話が、ジェシカの休暇の終わりを告げる。すごく気の毒だけど、そうじゃなきゃミステリーにはならんのよね。

観光名所、潮吹き穴から人の腕が吹き上げられた。その近くでは、警官二人が惨殺されていた。潮吹き穴に落とし込めば、普段なら見つからない。被害者の数は、もっと多いかも知れない。そう思うとぞっとする。

犯人の心のうちを語った部分がまた怖い。思い込みの激しいタイプには近づかないでいようと思わせるほど、犯人は一途に信じ一途に目的に向かう。次の被害者が出る前に、ジェシカは犯人を止める事が出来るのか。犯人とジェシカの競争にドキドキする。

観光客が知らない部分。そんなハワイが見えてサイコ以外の部分でも楽しめた。楽園、南国、事件も起こらず、人はあたたかいと思いがち。でもどこに住んでても人は人。そんなに変わらないもんなんだろうな。