呪われた老人の館

彼女の選択をどう思うかで評価が分かれるのかな。

呪われた老人の館 

◆制作
原題：The Manor　2021年　アメリカ

◆キャスト
ジュディス＝バーバラ・ハーシー
ジュディスの孫ジョッシュ＝ニコラス・アレクサンダー
ローランド＝ブルース・デイヴィソン
トリッシュ＝ジル・ラーソン
ルース＝フラン・ベネット

◆あらすじ

軽い脳卒中を患った後、ジュディス・オルブライトは由緒ある養護施設へ移り住むことにした。だが、そこでは不思議な事が起こり、認知症の人たちが徘徊するからという理由で、建物の外へ出るには、付き添うがいるという。

まるで監視されているかのような閉塞感の中で、同室の女性が彼女にメモを残して亡くなる。何者かが入居者たちを死に至らしめているとジュディスは確信する。

***

ジュディスは若い頃バレエを踊っていた。だが年をとり満足に踊れなくなっていた。孫のジョッシュはまだ若いと言ってくれるが、もうそういう時期なのだとジュディスは自分で養護施設に入ることを決める。その潔さに好感がもてる。

ところが施設に入ったら、他の入居者はいかにも老人な感じ。見てると気が滅入りそう。おまけに早く慣れるためとスマホを取り上げられてしまう。

そんなジュディスに声をかけてきたのはローランドとトリッシュとルース。最初は明るく優しい人達に見えるのだけど、少し付き合いが面倒だなとも思えた。それに他の入居者がいかにも老人なのに、この３人だけが楽しそうで違和感があった。

初日から同室の女性は悪夢を見ているみたいで、言葉もおぼろげだった。彼女は何か伝えたがっていた。ジュディスも怪物みたいなものを目にしはじめる。

何なのか解らない間に、同室の女性がとうとう亡くなった。亡くなる前に渡されたメモを見てジュディスは確信する。この施設では次々と人が亡くなっているのだと。

孫が教えてくれた暗証番号で玄関を開錠し、逃げ出したジュディスだが捕まってしまう。医者は認知症で現実と幻覚の区別がつかなくなっているので、施設から出さない方がいいと
娘と孫に説明する。誰もジュディスの話を真剣に聞いてくれない。だが、孫はジュディスが言ってた写真の話を思い出して確かめに行く。

写真の件、呪いをすり替えた件はよかったな。わかってくれた事とやり返した事で気分がスーとした。

最後の選択のシーンに来るまでに十分楽しめた。あのラストは、物語としてはどちらを選んでもよかったと思う。個人的には、たまにはそっちもいいんじゃないと思えた。ただ、私がジュディスの立場なら彼女と同じ選択をしたかどうかはわからない。