京極夏彦/邪魅の雫

 ちょっと読むのに時間がかかったな。

文庫版 邪魅の雫 (講談社文庫) - 京極 夏彦
文庫版 邪魅の雫 - 京極 夏彦

◆制作
2009年 日本 講談社

◆あらすじ
江戸川と大磯で発見された毒殺死体。2つの事件に関連はないのか。青木は納得がいかずに調べ始める。榎木津探偵事務所で探偵見習をしている元刑事益田のもとへ、榎木津の従兄弟、今出川から依頼が寄せられる。

毒殺事件の被害者と榎木津の関係を調べてくれと。榎木津に内緒で益田は調べ始める。

***

感情移入しにくかったのが、読むのに時間がかかった理由だろうな。益田さんの目を通して、事件を見る事になってる。だが、益田さんがわからないままに動いてるので、共感も応援も悲しみもわいてこなかった。一緒に迷ってる感じがあればよかったのかもだけど。

サルはぼんやりしているし、おがみ屋もえのさんもちょっとしか出て来ず、きばちゃんに関しては、ちょっと出たっけかな。出たとしても、覚えてないぐらい。肝心のメンバーがほぼ脇に回っていて、最後のいいとこだけもってった感じがした。

読み終えてみれば、相変わらずおがみ屋もえのさんも口の割には優しいし、サルは下僕よりはわかっていて、彼の良さは出ているしいいんだけど。動機は、若い頃なら面白いと思ったのかもなー。