ジェフリー・ディーヴァー/死の教訓

 ボーン・コレクターの作家さんって、ボーン・コレクターも書いてないけど。

死の教訓(上) (講談社文庫) - ジェフリー・ディーヴァー, 越前 敏弥 死の教訓(下) (講談社文庫) - ジェフリー・ディーヴァー, 越前 敏弥
死の教訓


◆制作
原題:The Lesson of Her Death 2002年 アメリカ 講談社

◆あらすじ
半月の夜、暴行をうけた女子大生、ジェニー・ゲベンの遺体が気のほとりで見つかった。言場に残されたコード捜査官に脅迫めいた写真や書き付けが見つかる。血で書かれた半月が町のあちこちに出現し、殺人鬼ムーンキラーの次の犯行を恐れて、町はパニックになる。

満月の夜、最初の事件と同じ現場に新たな犠牲者がでた。最初の被害者と接触のあったコード捜査官に証拠隠滅の嫌疑がかけられ捜査が空転する。そんな中、殺人鬼の凶手はビルの愛する家族にまで迫る。

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ボーン・コレクターがどうだったか記憶が不確かだけど、もともとこの作家さんの作品に、強烈に惹かれるものがないのか。ブレイク前の作品だからなのか。あっさりとは読めたけれど読んだ後の余韻は少なかった。

時々、おっと思わせる場面もあったけど、展開が遅くていらないんじゃないかと思うシーンもあった。登場人物の感情とか思考が前に出てこないので、今ひとつはまれなかったのかな。

主人公のコード捜査官は、絶望しかねないほどの後悔を、少なくても2度味わってる。はずなのに、そういう狂おしさが伝わってこない。その苦悩が伝われば、ムーン・キラーに対する感情は増したはずで、そうすればコードやクレスギがはえた気がする。

とはいえ上下巻をぱっと読めたので、読みやすくはあるんだよな。焦点があってくれば、もっと面白くなりそうな感じはある。これは好みなんかもしれんなー。