ミネット・ウォルターズ/病める狐

 すっきり。CWA最優秀長編賞受賞作。

病める狐 上 (創元推理文庫) - ミネット・ウォルターズ, 成川 裕子 病める狐 下 (創元推理文庫) - ミネット・ウォルターズ, 成川 裕子

病める狐 

◆制作
原題:Fox Evil 2007年 イギリス 創元推理文庫

◆あらすじ
ドーセットの小さな村シェンステッドにあるフォックス家の夫人が亡くなった。フォックス家の犬までも。真夜中の脅迫電話、雑木林を占拠した移動生活者の一団。それらの背後にはフォックス・イーヴルと名乗る謎の男がいた。


村を覆う不穏な空気。ついにクリスマスの翌日、事態が動き出す。

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悪い人は懲らしめられ、いい人は幸せになる。そういう意味ではすっきりするかな。蛇の形ほどのインパクトはなかった気がするけど。

プルー、エレノア、ヴェラ。3人とも、満たされてない。あの性格だから満たされないのか、満たされてないからああいう風になるのか。満たされない思いが他者をはけ口に使い、
最後にはしっぺ返しを食う。

エルイサは優しい人なんだろうけど、付け込まれてしまったんだな。プルー、エレノアにはいい顔をしなかったみたいだけど、ヴェラ、イーブルには隙をみせてしまった気がする。

レオはちょっとしか出てこないけど正直で好き。ギャンブラーみたいなのでお近づきにはなりたくないけど。ウルフィーは出来過ぎ。彼の心情を思うと胸がキュっとなる。ベラも好きだな。1番付き合いやすいかも。ジェームズも好き。付き合いやすいかどうかは定かじゃないけど。

ミネットらしいといえばそうなのかもしれない。サイコの要素をもっているけど、よくあるサイコにしないあたりが好き。女彫刻家もそうだったもんな。