ジャン・バーク/汚れた翼

今回は、アイリーンのご主人フランクが主役。受賞した骨と比べると専門的な分野が少ないけれど、面白さは変わらなかった。あっという間に読んだ。

汚れた翼(上) (講談社文庫) - ジャン・バーク, 渋谷 比佐子 汚れた翼(下) (講談社文庫) - ジャン・バーク, 渋谷 比佐子


◆制作
原題:Flight 2005年 アメリカ 講談社文庫

◆あらすじ

両親の離婚、兄(セス)は妹を守ろうとし、妹はお茶目にふるまった。そんな兄弟と裕福な実業家である父は船旅を終え惨劇された。セスだけが瀕死で見つかった。

犯罪歴のある地元のギャングに容疑がかかる。捜査にあたった一匹狼のルフェーヴル刑事は、セスをかばい親身になって捜査を続けていたはずだが、真相を明らかにせずにセスナで失踪した。10年後、墜落したセスナが見つかる。ハリマン刑事らの再捜査がはじまる。

***

両親の離婚後、兄弟を守らなきゃと思うセスの気持ちが切ない。否、痛いかな。そんな矢先、目の前でその妹が殺され自分の命も危なくなる。瀕死の状態を一匹狼にルフェーヴルに発見される。

襲われた恐怖心は計り知れないほど大きく、目立つ事しか頭にない母は頼りにならない。父はもう亡く、セスはルフェーヴルを頼りにする。ルフェーヴルの方にもセスを守りたい理由があった。

セスとルフェーヴル、2人の男性(1人は少年だが)がとてもいい。誠実というか、そしてアイリーンの夫、フランクもまた誠実でいい。

ルフェーヴルは、群れる事を好まない一匹狼。フランクはそこまでではないにしても、彼も群れる事が好きとは言えない。フランクの相棒、ピートや刑事課の面々は、群れる事が好き。そのあたりの描写が面白かった。

フランクが、自分の親友はジャックだと話す時の台詞が好きだな。その気持ちは、わかるような気がする。私も、がっつり群れるのは苦手だからかな。