ダン・ブラウン/天使と悪魔

3冊にはしてほしくなかったな。

◆制作
原題:Angels & Demons 2003年 アメリカ 角川文庫

◆あらすじ
ハーヴァード大の図像学者ラングドンは、スイスの科学研究所長から「イルミナティ」の紋章について説明を求められる。その紋章が男の胸に焼き印として押されていた。
男は世界初の大量反物質の生成に成功した科学者だった。彼はすでに死亡していたが、反物質の生成に成功していた。核の数十倍のエネルギーを持つという反物質は、すでに殺人者に盗まれ、密かにバチカンに持ち込まれた。そのヴァチカンでは新ローマ教皇選挙が行われようとしていた。

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正直にいうと合わなかった。世界観は好き。宗教も美術も歴史も、興味深く描かれているのはかなり好きなのだけど、登場人物が面白くない。感情を揺さぶらないので興味のない人の話を聞いてる感じでつまんない感じが、先行してしまう。世界的な作家をつまんないってと夫には笑われた。

訳者にもよるのかなと思ったけど、この訳者の本は他に読んでいてそっちは読めたって事は訳のせいとは思いにくい。

もう1つは、前に読んだダ・ヴィンチ・コードと似すぎてる事。登場人物や設定が変わってるだけで、ラングトンが巻き込まれる事も、魅力的な女性が出てくる事も、謎を追いかけて危険を回避する事もパターンとしては似てて、先が見えすぎてワクワクもドキドキもしなかったみたい。

最後の方へ来てがっかりしたのは、ラングトンが助かってしまう事と思った通りの犯人だった事。主人公だから仕方ないんだろうけど、どう考えても人間なら死んでる。ラングトンはスーパーマンかよと突っ込みたくなった。犯人の予想ついたのは複線が少なかったせいかも。

主人公が犯人でした、な本も中にはあるけど、ラングトンは2作目なので買えて欲しかったな。ヴィットリアにはバチカンの奥に入る方法がない。残るは2人。情報を知りえて、狂信的な性格を考えれば、答えは目をつぶっていても出てしまう。

世界観が好きなだけに、すごーーーーーく勿体無い。でも、合わないものは合わないんだよな。好みがあう人には面白いと思う。