フランソワ・オリヴィエ・ルソー/年下のひと

彼女が彼女であるが故に。

◆制作
原題:Les enfants du siecle 2000年 フランス 角川文庫

◆あらすじ
19世紀フランス。ロマン主義と革命の空気に溢れるパリで、若き詩人ミュッセは、スキャンダラスな女流作家ジョルジュ・サンドと出会い、激しい恋に落ちる。

ミュッセは貴族出の若き詩人。「戯れに恋はすまじ」など小説や戯曲も残した。10歳年上のサンドは反道徳的な小説を書き、多くの浮名を流した女流作家。

社交界の男女と浮名を流す年上の人妻に惹かれていくミュッセ。ふたりは周囲の反対を押し切って、イタリア旅行を強行する。不貞、嫉妬、熱情激しく求め合うふたりの芸術家の愛の葛藤を描いた真実の物語。

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この本を読んでから検索してみた。ウィキペディアにあった肖像画が、記憶のすみにあった。もう少し、その時に突っ込んで興味を持っていればなーと思った。こういうのもめぐり合わせなんだろう。
この本を読む限り、すごく勇気のある女性だなと思った。あの時代、自分の考えを貫くのは今より難しかっただろう。でも残念ながら、彼女の本は一冊も読んでないと思う。いつか縁があるといいなと思う。

ミュッセは名前にも顔にも記憶がないけれど、「戯れに恋はすまじ」というフレーズはなんとなく記憶がある。辛らつさが好みな気がする。記憶が不確かだけど、縁があったらやっぱり読んでみたいなと思う。

そんな才能豊かな2人の恋愛。あまりにも激しくて残酷で、命を縮めて締まった気さえする。彼の性格によるところも大きいのだろうけど。

読んでいてこの話がじんわりくるには、ある程度年をとってる方がいいのかもと思った。若い頃ならこの残酷さ、甘美さは解らなかった気がする。

才能があるという事と、一生に一度の相手に巡り合うと言うのは、とても過酷でとても幸運で、天国と地獄を一緒にもたらした気がする。