スー・グラフトン/殺害者のK

キンジー・ミルホーン第11弾。

殺害者のK (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 4-11) - スー グラフトン, Grafton,Sue, 静江, 嵯峨
殺害者のK (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 4-11) - スー グラフトン


◆制作
原題:"K" Is for Killer 1995年 アメリカ ハヤカワ文庫

あらすじ
ローナは亡くなってから10ヶ月もして発見された。ローナの母がキンジーに事件の再調査を依頼してきた。ローナが出ているポルノビデオが母のもとに送られてきたという。

生前の彼女を調べるキンジーにも罠が迫ってきていた。

***

女探偵のキンジーは、ローナを知る事からはじめる。ローナの生活、考え方、仕事、交友関係、何を好んで何を嫌っていたか。これはローナの物語。

ローナは、若くて綺麗でそんな自分を知っていた。小さくて家賃が安くて森の中みたいな小屋を借りて住み、水道局のアルバイトを時々して夜の生活を好み、税金をきちんと払い家族とは少し距離をおき、お金を溜め込んで自分の将来を計画してた。

色と欲。高級コールガール、ポルノ。お金は溜まるが危険も大きい。

けれどローナは通りすがりに殺されたのでも、客に殺されたのでもない。彼女に生きていて欲しくない理由は何なのか。

ローナを嫌いになれないな。どっちかと言えば好きなタイプの女性。自由奔放で、悪意がなくて自分に正直。キンジーもそうらしく、壁にぶつかっても捜査をやめられないとこが微笑ましかった。