潔白

彼女の今後を思ってしまうな。



◆制作

原題:Innocence 2020年 韓国

◆キャスト
アン・ジョンイン(シン・ヘソン)
チェ・ファジャ(ペ・ジョンオク)
チュ・インへ(ホ・ジュノ)

あらすじ
葬儀の場で農薬が入ったマッコリをによる殺人事件が起こる。その事件の犯人として弁護士として活躍していたジョンインの母ファジャが逮捕される。十数年ぶりに帰郷したジョンインは母と面会するが、母は認知症を発症しており警察の捜査は杜撰と言わざるを得なかった。ジョンインは事件を調べ始める。

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よく出来てるなと思ったのだけど、ちょっと欲張りすぎたかな。話が複雑で好みなので、どちらかを掘り下げて欲しかった。と思うのは欲張りすぎだろうか。良く出来てるからこそ欲が出てしまうんだろうな。

弁護士のジョンイン、彼女は家を出て必死にがんばったのだろう。活躍する弁護士となっていた。その母が事件の犯人として逮捕された。母と娘はしばらく連絡を取っていなかった。娘はすぐに帰郷するが、警察の捜査は杜撰で母が犯人ならすべては丸く収まるのだと言う空気が漂う。

調べていくうちに、昔の殺人事件とカジノ誘致にからんだ利権問題が浮き彫りになってくる。そのトップに位置するのが市長のチュ・インへ。彼らの妨害に傷を負いながらジョンインは確信に迫っていく。

「30だけど17です」の時とは違う凛とした美しさを見せたシン・ヘソンさん。憎たらしいぐらいの悪役ぶりのチュ・インへさん。そして娘を思い翻弄された女を演じたチェ・ファジャさんははまった感じがした。

欲を言えば法廷物として事件のえぐさを前面に出すか、母と娘の物語を前面に出すかにして欲しかったな。好みとしては法廷物の方が好き。母と娘の部分は、母が娘だと気が付いたシーンだけでも、彼女の絶望の深さと苦悩は伝わった気がする。

ジョンインはこれからどうするんだろう。自閉症の弟と認知症の母を抱えて生きる彼女の先を思うと切なくなる。