ヨークシャーの切り裂き魔事件ー刑事たちの終わらぬ苦悶3話4話

 連続殺人犯ピーター・サトクリフを追う捜査、全7話。娼婦も悲劇だが娼婦だと思われる女性たちもまた。

The Long Shadow [l]
The Long Shadow [l] 


◆制作

原題 The Long Shadow 2022年 イギリス

◆キャスト

ロン・グレゴリー(マイケル・マケルハットン)
ジョージ・オールドフィールド(デヴィッド・モリッシー)
ジム・ホブソン(リー・イングルビー)
デニス・ホーバン(トビー・ジョーンズ)

3話あらすじ
リーズの隣の都市ブラッドフォードで切り裂き魔の4人目の被害者が発見される。仲間の娼婦たちは犯人の影におびえるが、売春をやめると生活が出来ないので街角に立ち続ける。デニスは捜査責任者から外され、ジム・ホブソンが新たな操作責任者になる。彼はタイヤ痕から犯人にたどりつこうとする。そうしている間に、リーズに舞い戻った犯人は16歳の少女を毒牙にかける。娼婦ではない女性が被害にあい、警察本部長はジョージ・オールドフィールドに捜査の任せる。

4話あらすじ
ブラッドフォードで襲われた中年女性モーリンが生き延びる。警察は切り裂き魔の人相を思い出させようと女性警官を付けてモーリンをパブに送り出す。だが彼女は覚えてないと繰り返す。ジョージ・オールドフィールドは犯人の条件を満たすタクシー運転手テリーを見つけるが、証拠不足のため起訴はできずにいた。警察への不満が高まる中、新たな生存者の証言で切り裂き魔の似顔絵が完成し、それはテリーそっくりだった。警察はテリーに自白させようとする。
***
2話目で出たマーセラは医師から犯罪被害者補償制度の話をされる。自分は娼婦じゃないと医師に言うと、前に申し込んだ人は娼婦じゃなかったよと医師は言う。だが、犯罪被害者補償からの手紙には、娼婦という職業を選んで自ら危険を招き警察に嘘をついたからと却下される。

3人の娼婦、1人はロンドンの方が稼げるから行こうと言い、1人はやめた方がいいと言い、もう1人は子供がいるからロンドンにはいけないと言う。やめた方がいいと言った娼婦が殺され、子供がいる娼婦は罵倒され殴られ、警察の取り調べでは法を破って周りに迷惑をかけていると怒鳴られる。他に選択肢があるなら娼婦はしていないんだろうに。ロンドンに行った娼婦は上手くいって車を買ったと電話してくるが、何かあったら必ず電話するからという。不穏な感じがする。

16歳の少女が犠牲者になった事で、捜査主任をジム・ホブソンからジョージ・オールドフィールになる。警察の面目はつぶれっぱなし。娼婦が客のリストをもっていたから、心当たりのある人は申し出るようにと警察は発表するが、娼婦たちはそんなわけないと思う。

モーリンは6人目になるんだろうか。生き残った犠牲者だが記憶がないと彼女は言う。タクシーに乗った可能性がある事、遠くの警察からも手口が同じだという事件の報告があり、広範囲に動き回るタクシー運転手達が調べられる。似顔絵が似ていたテリーは特に調べられたが証拠が出ず釈放される。ところが次の犠牲者が発見されると、ジョージは焦ったのか犯人はテリーだと思い込み、強引に逮捕する。自白を引き出そうとするが、逮捕、拘束されている間に事件がおき、皮肉にもテリーの無実が証明されてしまう。

モーリンを酒場に連れ出し証言をとってくれと女性警官に頼むが、モーリンは証言を拒否。
誰も切り裂き魔の顔を知らない。でも私の顔は新聞に載ったからみんな知ってる。娼婦を襲う男に襲われたから、私もそういう目で見られると言ったモーリン。世間の目はどうしようもないのが切ない。

そして切り裂き魔だと名乗る男から手紙がきた。ここでジョージが最大の勘違いを起こす。