京極夏彦/眩談

天井の模様が顔に見えたり、学校にある怖いような話。そんな子供の頃の不思議な世界が蘇った。

眩談 (角川文庫) - 京極 夏彦
眩談 (角川文庫) - 京極 夏彦


◆制作
2015年 日本 角川文庫

◆内容
京極夏彦さんの短編、8話が収録
子供の頃、周囲から聞くともなしに聞いた話。夜遅くにあの橋を渡ろうとすると橋が無くなっていて落ちてしまうとかお地蔵さんに備えた水が翌日には必ず空になっているらしいとか

どんなにきちんと閉めても、気がついたら少し開いてるドアの話とかそれ本当かなーというような、でもちょっと怖いような話。そういう話が8話、おさめられている。

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改めて、好きな作家さんだなと思う。読みやすく表現力があって、いつの間にかその世界に
引っ張り込まれてしまう。

8話の中で好きなのは「もくちゃん」幼い頃、隣の変なおじさんと接触したら、人が死ぬ映像が流れ込んできた。変なおじさんは人殺しに違いないと思うもっくん。

変なおじさんはもっくんと呼んで彼に接触しようとするが、もっくんは嫌がっていた。何年もたって、もっくんは大人になり仕事で成功する。そして、彼はあの人が死ぬ映像を目にする事になる。自分が周りの人を殺してしまった景色。おじさんは変な人じゃなかった。

「けしに坂」も好きかな。