アンドリュー・テイラー/天使の鬱屈

読み終えた。アンドリュー・テイラーの天使三部作。




◆制作
原題:The office of the dead 2006年 イギリス 講談社文庫

◆あらすじ
夫と別居したウェンディは、友人のジャネットのもとへ。ジャネットは夫のデヴィッドと娘のロージー。そしてジャネットの父、ジョンと暮らしていた。

身重のジャネット、ロージーの世話、ちょっとぼけかけた父の世話。牧師の夫の付き合い、決して裕福ではなく家計のやりくりも大変。ウェンディは身重のジャネットを助けながら、教会付属の図書館で働き始めた。その仕事の中で、ある詩人に興味を持つ。

彼について調べ始めたら、村の人ではなさそうな不審な人が目撃される。動物の死骸も見つかる。

ウェンディの夫が連絡してきて、ウェンディは落ち着かない。そして、ジャネットの父、ジョンが亡くなる。ジャネットが流産し、父を殺したのは自分だという遺書を残し自殺する。

***

ウェンディは、ジャネットが自殺した後、ジョンの死が他殺であること、流産もその犯人によるものだと言う事に気付く。

その真相に気付いたジャネットは、犯人をかばって自殺した。ジャネットがかばったのは娘。まだ幼い娘は、ぼけた祖父ジョンに殺してくれと頼まれて、殺してしまった。

父は仕事の事で頭がいっぱい。母は父の介護と身重の体と牧師の妻の役割で手いっぱい。人は死んだら苦しみから解き放たれて、神のもとへ行く。悪い事ではない。

ロージーは、いい事をしたつもりなのだ。自分にも都合がよかった。もともとなのか、環境なのか、幼くして殺人者になってしまったロージー。その時点でウェンディが明らかにしていれば、次の背徳の事件は防げたのだろうか?