ロビン・クック/フェイタル・キュアー致死療法

死亡した患者の共通点とは。



◆制作
原題:Fatal Cure 1995年 アメリカ ハヤカワ文庫

◆あらすじ
若い医師の夫婦、デイヴィッドとアンジェラは、ヴァーモント州の平和な町バートレットの病院に高給で引き抜かれた。だが、現実のバートレットは理想の町どころではなかった。

病院のもと院長は何者かに惨殺されており、病院の駐車場では連続レイプ事件が起こっていた。しかも、デイヴィッドの担当の入院患者が原因不明の病気でつぎつぎに急死していく。

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高給で引き抜かれ引越しをする若い医師とその家族は、浮かれていた。引越しをする前に、仕事を決める前に見に来た時は、理想の街、理想の職場、理想の家に見えた。今までより広い家、今までより働きやすそうな職場。何もかもが申し分なく、未来は輝いていた。そりゃ浮かれもする。

ミステリーなのでこのまま終わらないよなと思っていたら案の定、前院長の事件。駐車場でのレイプ事件と次々と判明してく。挙句の果てに、自分の担当する患者が、次々と原因不明で死亡する。

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知りたくないと思いながら、原因を探そうとするディヴィット。医師としての評判、家族の生活を支える夫。人の命を救う職業にとって、患者の死はかなりこたえるだろう。

原因不明の死亡、それが重なる事が気になる。症状もおかしい。調べていくうちに、死亡した患者が使っていたものが同じものだった事がわかる。それが事件を解くカギになる。そして、原因不明の患者の死亡が、他の事件とも関連してる事に気づいていく。

原因になったのはよく聞く事だったけれど、症状や危険性について、あまり知らなくて考えた事がなかった。医療関係者なら、症状だけでネタバレしたんだろうか。

日本とは医療制度が違うから、成立するストーリーでもある。でも、日本の医療制度も同じような問題を抱えてると思われるし解りにくいって事もなくて読みやすかった。