パトリシア・コーンウェル/死因

するすると解けていく感じと、死因特定の難しさが面白かった。



◆制作
原題:Cause of Death 1996年 アメリカ 講談社

◆あらすじ
はじまりは、潜水禁止区域で見つかったジャーナリストのテッドの変死体だった。他殺かどうかによって、捜査が変わってくる。

ダイビングの目的は何なのか。男の背後を探るうちに浮かびあがってくる狂信的カルト教団の影。やがて、全米を震撼させる事件が勃発する。天才プログラマー・ルーシーの力を得て巨大な陰謀に立ちむかうスカーペッタ。

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テッドの変死体が発見された時から妨害が入り、死因もはっきりしない間から不穏な空気。
これからはじまるぞな感じがいい。

すごく愛らしいキャラのダニーは好きだな。ダニーの役割は大きかった。事件の中でも話の中でも。

ネットで知り合った人に自尊心をくすぐられ、たくさんの命を失う事に使われる情報を、流す女性。悲しいというより、せこい感じがした。事実がわかっても認めようとせず、人の命より自分の自尊心を優先させてる気がして。狂信的というか盲目的にハントを信じてる人達も、悲しいというよりやっぱりせこい感じがした。

ケイはちょっと笑えたな。ルーシーには少し親近感。いつまでも子供扱いするケイ。でも、ルーシーはすっかり大人で子ども扱いするケイを、なんとか安心させようとしてる。ケイが思ってるより、ずっとルーシーは大人になってるけど、ケイにはそれがまだ慣れない感じ。

ベントンとケイが一緒に飛ぶあたりはいいな。あの2人じゃなきゃ共有できない感じが好き。