パトリシア・コーンウェル/接触

死のドクターVSドクター・ケイって感じかな。



◆制作
原題:Unnatural Exposure 1997年 アメリカ 講談社

◆あらすじ
秋の午後の柔らかな光の中で肉は不自然なほど青白く見えた。ゴミ廃棄場で発見された胴体だけの死体。最近、バージニアで連続している猟奇殺人か。その夜、スカーペッタ宅に被害者の切断された手足が写った電子メールが届く。発信者の名は、deadoc〈死のドクター〉。

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コーンウェルの中ではわりとお気に入りかな。気に入ってるのは、deadocが告白するくだり。世間に対する恨みつらみが、何の罪もない人に向けられる。そーいう事に対する罪悪感はない。自分の憎悪ばかりに目がいってる。

それをあおる存在がケイ。彼女の側にいると嫉妬する。なら見なきゃいいのだけどつい見てしまうんだろう。自分の感情と向き合うのが、上手な人ばかりではないやろし。

もう1つはベントンとケイ。マークの死の詳細を、知らない方が幸せだろうと気を使うベントン。でもケイは知った方が前にすすめると思ってる。だが、知ると辛い。うん、辛いな。でも、知らないとやっぱり前に進めない。どっちにしろ辛いなら、知る方を選ぶか知らない方を選ぶかは性格によるのかな。

コーンウェルは、出版されてる順番に読む方がいいとは思うけど、続き物みたいなもんだしただ、これだけは単発で読んでも面白いかもなと思う。