ブリジッド・オベール/死の仕立屋

オベールには、独特の雰囲気がある。


◆制作
原題:Le couturier de la mort 2004年 フランス 早川書房

◆あらすじ
夏のコートダジュールを襲った惨劇。
複数の死体を頭部、四肢、胴体と切断し、それぞれ縫合して街角に飾る猟奇事件が起きた。

第一発見者のマルセル巡査は昇進を狙い事件を追うが、なぜかマルセルの担当区域でばかり縫合死体が続々と見つかる。捜査班のリーダーのジャーノとその部下が事件を追うが、手がかりさえつかめず。犯人は身近にいるのか。そして、犯人の魔手はマルセル自身にも。

***

離婚寸前で昇進を狙うマルセルの管轄ばかりで死体が発見される。妻と上手くいかないマルセルは、別の女性ナジャに惹かれていく。ナジャの息子、モモは何者かに閉じ込められる。

暑い夏、いくつもの出来事があちこちで起こり、それがパズルのピースのように合わさっていく時、事件もまた最後のクライマックスに向かって転がっていく。

死の仕立屋が何故そんなことをはじめたのか、その動機らしきものが終盤で明かされる。
同情は出来ない。

出来ないけれど。その割り切れない気持ちの残り方とパズルのようなプロットが、オベールの味なんかもしれんなー。