パトリシア・コーンウェル/真相“切り裂きジャック”は誰なのか?

 切り裂きジャックは誰なのか?それだけで読んでしまった。ミーハーだなw



◆制作
原題:Portrait Of A Killer:Jack The Ripper Case Closed 2005年 アメリカ  講談社 

◆あらすじ
ヴィクトリア朝末期のロンドンで、娼婦があいついで惨殺された切り裂きジャック事件。
猟奇的な手口、警察や新聞社に届く、犯行を楽しんでいるかのような手紙。
永遠の謎といわれた犯人探しに、7億円の巨費と現代科学の粋をかけ、コーンウェルが真相に迫る。

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コーンウェルにはまったのは、難しい専門知識をわかりやすく書いてくれるとこだったんだけど、今までの本で知ってる事を何度も読んでる感じがして、ちょっとお腹いっぱいな気分になってしまった。コーンウェルの本をこの本ではじめて読む人もいるだろうし、はしょるわけにもいかんのだろうけど。

犯人や捜査関係者の物語として書くか、コーンウェルが調べた経緯をドキュメンタリーみたいに書くか、どっちかで書いて欲しかったな。その方が読みやすかった気がする。

切り裂きジャックは永遠の謎。だからこそ映画や本の題材になる。
彼女も認めている通り、彼女の説に都合のいい情報も足りない情報も都合の悪い?情報もある。事件当時、今みたいな鑑識技術はなく保存状態もいいとはいえず、残っていればいいが保存されず紛失している資料も相当あるらしい。

そんな中、かなりの金額を投資してジャックに迫ろうとするコーンウェル。仕事だし、宣伝にもなるのも事実だろうけど、そこまでする動機のひとつに被害者への思いがある事は感じられた。
身の危険を感じる事もかなりあるらしいから、他人事じゃなくより身近に被害者の思いを感じるのかもしれない。

相手が誰であろうと、犯人だと名指しするにはかなりの確信がないと出来ないと思う。
高額な検査も徹底してやった事が、彼女の確信のもとになってるんだろう。この本を読むまでシッカートの事を知らなかった。見てみたい気はする。ただ見たら後悔しそうな気もする。あまり好きなタッチじゃなさそうだし。