リンダ・ラ・プラント/凍てついた夜

 テニスンシリーズも好きだけど、ロレインシリーズも好きだなー。


◆制作
原題:Cold Shoulder 1996年 イギリス  早川書房

◆あらすじ
酒を飲めば、すべて忘れられた。捜査中に少年を誤殺したことへの罪悪感も、それが元で警察を首になったことも、愛する家族を失ったことさえも。

ロス市警の元警部補ロレインは、酒に溺れ、街をさまよい、ついには売春婦に身を落とす。六年後、連続殺人事件に巻き込まれたことから、彼女は人生をやり直すことを誓う。

***

警察の仕事をするロレインに、夫は冷たくあたった。仕事と家庭どっちが大事だとか、どっちも大事なのに。家庭が上手くいかずお酒に救いを求めた。そのせいで誤って少年を射殺してしまい警察を解雇される。

罪悪感が重くのしかかり、余計にお酒に溺れとうとう街角に立つロレイン。そんな彼女が連続殺人事件に巻き込まれてしまう。元同僚達から哀れみを受けいまだに消えない罪悪感。
ところが、事件に関わった事でロレインの気持ちが変わり始める。

***

断酒会で知り合った女性、ロレインを見るに絶えず世話をやく。この女性が可愛い。ロレインの荒れ方に怒り呆れ文句を言い悪態をつきながら、やっぱり見放せない。

自分もお酒に溺れた身、辛さは誰より知っている。そんな彼女の人のよさが、ロレインの世話をやかせ、その事が彼女自身が立ち直るきっかけになっていく。

警察を追われたロレイン、事件を捜査する為に探偵業をはじめる。断酒会で知り合った女性は、なれないタイプを習い電話を受けロレインの世話をし、そしてそこにもう一人仲間が加わる。

辛い思いをした時、それを見せても離れていかない人達。人から見ればたいした事はないのかもしれないけど、辛い時こそ見守りあえるのはいいなと思う。見守るって事がどういう事なのかを、読ませてくれた一冊だったな。