埋もれる殺意26年の沈黙♯3♯4

 全6話



◆制作
Unforgotten Season 2 2017年 イギリス

◆キャスト
キャシー・スチュアート警部=二コラ・ウォーカー
カーン巡査部長=サンジーブ・バスカー
コリン・オズボーン(弁護士)=マーク・ボナー
デヴィッドの元妻テッサ・ニクソン=ロレイン・アシュボーン
サラ・マフムード(教師)=バドリア・ティミミ
マリオン・ケルシー(看護師)=ロージー・カヴァリエロ

◆あらすじ
3話「明かされる素顔」
被害者のデヴィッドは小学生のころに教師から虐待を受けていたことが分かる。サニーはデヴィッドの親友だったグレゴリーから、デヴィッドはつらい過去を忘れるため、酒と麻薬におぼれ、頻繁に売春婦と関係を持っていたことを聞く。一方、キャシーは過去の捜査資料から割り出した住所に住むマリオンの母親ジョイと姉のエリースを聴取する。その後、病院で勤務中のマリオンのもとを訪れる。

4話「壊れる日常」
コリン、サラ、マリオンは警察に聴取をされたり、過去の秘密を打ち明けた事でそれぞれ家族との間に歪みが生じてしまう。一方、キャシーとサニーはあらためてサラを聴取。デヴィッドのポケベルに住所が送信された日に、サラが重傷を負い病院へ行った事実を突きつけ、デヴィッドに暴行されたのではないかと問うが、サラは知らないと主張。さらに、コリンが以前勤めていた銀行で性的暴行で訴えられていたことが分かる。

***

被害者の事がわかっていくにつれ、その被害者と4人の容疑者の接点を探す捜査チーム。だが26年後の彼らの暮らしに、過去の出来事が影を落とすようになる。確かに過去を含めてその人の人生だとは思うけれど、26年もたってから過去の事が現在の生活を脅かすようになるのを見るのは、忍びない気持ちになる。

特にサラのケース。昔、売春をしていた過去が世間に知れ渡りネットでまで拡散されるという辛い状況になってしまう。自分だけではなく家族まで苦しめる状況を耐えるサラ。男たちは面白半分に噂し喜ぶけれど、それを咎める事も打つ手もない。

今回はちょっと話に没頭しにくい。シーズン1と違って被害者の描写が少ないせいだろうか。デヴィッドがどんな性格で、何を思って生きていたのか、彼の中にも葛藤があったり家族に対する思いがあるはずなのに、ちっとも見えてこない。

被害者に対する感情があってはじめて、この事件を解決してほしいという気持ちになったり、逆に加害者の方に無理もないと同情したりする気がするんだけど、ちょっと覚めてしまうのはこれが原因じゃないだろうか。

もう1つは、4人の容疑者が2つに分かれていること。元妻のテッサだけが被害者の身内。それ以外は被害者と親戚でも血縁関係でもない。となると、この事件の犯人は2つに1つに見えてしまう。

家族による怨恨か、サラ、コリン、マリオンに共通する何かが関係しているか。多分後者なんだろうな。そしてその共通するものとは虐待なんだろう。

サラのような知的な女性が過去に売春をしていたり、弁護士をするコリンが頭に血が上りやすく不安定だったり、家族に心を開かず彼女をフォローしようとする夫の手を避けるようにするマリオンは、鎧をまとって自分を守ってるように見える。