綾辻行人/最後の記憶

かなり好きな話だったんだと思う。ただ最後が好みじゃなかったな。

最後の記憶 (角川文庫) - 綾辻 行人
最後の記憶 綾辻 行人


◆制作
2002年 日本 角川文庫

◆あらすじ
白髪痴呆にかかった母、千鶴は、どんどん記憶を失いつつある。記憶の最後に残る、幼い頃の強烈な恐怖の記憶に苦しんでいた。白髪痴呆が遺伝するものなら自分もいつか病にかかるのかと怯える息子の森吾は、母の恐怖の記憶と生い立ちを追い始める。

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綾辻さん、1冊は読んでると思うのだけど記憶が不確かで、はじめての作家な感じでわくわくして読み始めた。読みやすく、描写も違和感もなくすんなり入れた。するすると読んでいたことを考えれば、かなり好きな世界だったんだと思う。

森吾の目を通して世界を見てる感じはなんともいえず好きだった。が、最後の2割で力が抜けた。異世界っぽい話にするなら、この舞台設定ではそぐわない気がした。この舞台設定なら、きちんとミステリーにしてほしかったな。怪奇なのか、ミステリーなのか、ホラーなのか最後でうやむやにしてしまった気がする。

小説なので、それでいいのかもしれない。ただこれが好みかそうじゃないかなだけかも。気に入ってただけにちょっと残念。