ローズメイカー 奇跡のバラ

 最後でうるっときちゃった。 

ローズメイカー 奇跡のバラ(字幕版) - カトリーヌ・フロ, メラン・オメルタ, ファツァー・ブヤメッド, オリヴィア・コート, マリー・プショー, ヴァンサン・ドゥディエンヌ, ピエール・ピノー, ピエール・ピノー
ローズメイカー 奇跡のバラ(字幕版) 


◆制作
原題:La fine fleur 2020年 フランス
◆キャスト
バラ園のオーナーのエヴ(カトリーヌ・フロ)
前科者フレッド(メラン・オメルタ)
定職に就けないサミール(ファツァー・ブヤメッド)
バラ園の助手ヴェラ(オリヴィア・コート)
内気なナデージュ(マリー・プショー)
巨大企業の社長ラマルセル(ヴァンサン・ドゥディエンヌ)
◆あらすじ
フランス郊外。新種のバラを開発し数々の賞に輝いてきたエヴのバラ園は、今や倒産寸前。数年前から巨大企業のラマルゼル社に賞も顧客も奪われていた。助手のヴェラが何とか立て直そうと、職業訓練所から格安で前科者のフレッド、定職に就けないサミール、異様に内気なナデージュの3人を雇う。だが3人は全くの素人で、エヴは3人に一から教える羽目になる。

***
前科者のフレッド、最初は生意気で自分勝手に見えるのだけど、彼は育児放棄されていた。両親に会おうとするが、両親は電話に出てくれず居場所もわからない。フレッドの嗅覚のするどさと家庭の事情を知ったエヴは、フレッドに調香師の道を進める。

農園の経営状態が悪くて常に頭にお金の心配を抱えているエヴは、自分勝手に見えるがきちんと皆の事を考えてるし、いい恰好もしない。お金がないから助けてと協力を頼む。ヴェラの個人の貯金を経営の為のお金にあっさり組み込んだのは笑ったし、訓練生と巨大企業に薔薇を盗みに入るのもどうよとは思うが、それぐらいの押しの強さがなければ経営者なんてやってられんだろう。

盗んだバラでの交配は失敗したものの、訓練生が練習用に自然交配したバラが農園を救う事になる。その奇跡のバラを見つけたのは内気なナデージュ。この内気な娘が可愛い。

そして一番可愛かったのは定職に就けないおじさんのサミール。とにかく正社員になろうとする。他の2人は若くて安定より他の事を求めるのに対し、サミールは安定を求める。このサミールがいる事で、やりたい事と安定のバランスがとれていくのがいい。ま、私がおじさん好きってのもあるんだろうけど。健気なんだよね。おじさんなのに若い人に混じって必死に働く姿が。

キャラ全部がよかったけど、最後の最後にエヴがフレッドに調香師に挑戦しなさいと送り出す場面あたりからうるうるした。フレッドがやっと親に会えても、親は迷惑そうな感じで、エヴと出会ったフレッドは、バラの花をもって親に会いに行きもう2度と会わない。お別れに来たというシーンがあっただけに、血の繋がらいじゃなく、自分を愛してくれる人に出会えて前を向いたフレッドにエヴがかける言葉がよかった。

嫌だと思ったら帰ってきなさい。才能とやりたい事は違うから。でも一度は挑戦してみなきゃ。そしてフレッドに贈った本の中にある栞の花言葉。あの花言葉にまたうるっときた。愛情深く切なく心を満たしてくれる。